ちょっと違う学び方。
PAOでは、学び方も違うんだ。
それはもう会場のレッスンの時に体験したと思うけど
学び方自体の説明はしてなかったね。
「このレッスンは意味あるのか?」って思っちゃうと
レッスン時の集中も悪くなってしまうので
学び方自体の説明をしておくね。
PAOでは、4つの特徴的な学び方をするよ。
①いいことは続け、よくないことはやめる。
②パラドキシカルラーニング(逆の学び方)
③分解して考える。
④系統的脱感作法。
それでは、一つずつ見ていこう。
①いいことは続け、よくないことはやめる。
たとえば
「ダイエットをするために運動をしているのに
おやつを食べるのをやめられない。」
せっかくいいことをしているのに
よくないことをやめられていない。
これじゃ なかなか成果が出にくいよね。
他にも・・・
「タバコを吸いながら、健康のためにマラソン」
「片手で腕立て伏せをしながら、もう片手はポテトチップスを口に運ぶ。」
「アンパンマンに僕の顔をお食べよともらったが、アンパンマンは手を洗っていない」
せっかく、いいことをやっていても
よくないことを続けていたら効果が出にくいと思うんだ。
なので、 PAOでは『いいことは続け、よくないことはやめる』
という学習をやっていくよ。
「タバコを吸いながら、健康のためにマラソン」みたいに
いいことをやりながら、やらない方がいいことを続けている
という例って他に思いつくかな?
②パラドキシカルラーニング(逆の学び方)
やらない方がいいことって、なかなかやめられないよね。
そのためにも、これから言う「パラドキシカルラーニング」が
いいと思うんだ。
パラドキシカルラーニングとは
「やらない方がいいことについて、考えてみる」
「やらない方がいいことを、やってみる」
という学び方。
逆の学び方だよ。
やらない方がいいことを考えると何がいいのかというと
「なぜやってしまうのか?」
に 気づけるから。
そして「知らず知らずのうちにやってた」ということに気づけるから。
以前に書いた「失敗してもOK!」がそう。
普通だと「失敗してはいけない」
って言うかもしれないけど
その逆をどんどんやっていきたいんだ。
そうすることで 失敗について学ぶことができるんだ。
でも「自分ができていないこと」をしっかり見るのって難しい。
自然に避けてしまうんだ。
だから、あえて、考えてみることで、できていないことに気づく。
「やらない方 がいいことを、やってみる」 と何がいいのか
いくつか並べてみたよ。
①やりたい気持ちが解消される。
「やっちゃいけないこと」って実は、やりたいことなんだ。
だからやめられない。
やりたい気持ちを押さえてやめようとするけど
押さえきれずに出てきちゃうんだ。
だから 「やっちゃいけないこと」 を徹底的にやることで
やりたい気持ちを解消して
やらなくてもいい状態にしておくことができるんだ。
②やっていた自分に気づく。
「やっちゃいけないこと」をわざとやってみることで
「あ、普段、知らないうちにやってた!」
ということに気づくよ。
考えているだけの時には、やっているわけがないと思っていたけど、
実際にやってみると、いつもの自分と同じだということに気づけるんだ。
そして、自分がやっていたことに気づくから、直せるんだ。
③やられることで、どんなにイヤかに気づく。
二人組で交代していくので、
「やっちゃいけないこと」をする側とされる側の両方を体験できるよ。
やる側はいつもやる側なので、されたことがあまりなかったりする。
だから、相手からされてみて「イヤだなあ。」って思うことができる。
自分がされてみて、よくないことに気づくことができるんだ。
こんなふうに、やらない方がいいことをやるのは、これだけいいことがある。
やらない方がいいことには、必ず理由があるよ。
それを理解するためにもパラドキシカ ルラーニングがいいね。
ゆういちやさよが、何かをやってはいけないと注意する時は、
必ず「○○だから、やらないでね。」と理由を付けているよ。
理由が分かれば、納得し てやめることができる。
本当に意味がないのは「ルールだからやめましょう。」
結局それ自体をやめても似たようなことはまたやっちゃう。
元の理由を分かっていないからね。
③分解して考える。
この考え方は、これまでたくさん出てきたね。
例えば、『話すのが苦手』を分解すると、
『誰に話すのか?』
『どんな内容の話?』
と分けることができたね。
これは、演技のレッスンの時に良く使う考え方だよ。
演技は
『感情表現』
『相手との関わり方』
『キャラクター作リ』
などのたくさんの要素に分けることができるんだ。
そして、一つずつやっていって確実にできるようにしていく。
電化製品が壊れた時に、電話でサポートセンターの人と話す時に似ているね。
「電源 コードはコンセントにささっていますか?」
「電源スイッチは入っていますか?」
切り分けというんだけど、そうやってどこが悪いのかをしぼっていくんだ。
話すのが苦手というのも、分解していくと、
どこで苦手を感じたのかがハッキリしたんじゃないかな?
原因が分かってくると、どうすれば直るのかが分かってくるんだ。
④系統的脱感作法。
これは、恐怖症を治すために使われる、心理カウンセリングの技術だよ。
インプロ(即興演劇)の世界的指導者キースジョンストンも良く使っているよ。
いきなり難しいことをやるんじゃなく、簡単なすぐできることからスタートして、小さなステップをふんで、だんだん難しくしていくんだ。
例えば、鳥恐怖症の場合。
鳥にさわることができないんだったら、
いきなり鳥をさわるんではなくて、
その手前の、鳥をガラス越しに見ることからスタートするんだ。
それができたら、次は鳥と同じ空間に行くとか。
そうして、少しずつ恐怖を克服していくよ。
PAOでは、話す時間を20秒からスタートしたね。
いきなり3分話すのは難しくても、20秒ならできたよね。
そこからスタートして時間を長くしていくよ。
話す内容もいきなり政治の話をするのは難しいので、
好きな食べ物からスタートしたんだ。
安心して楽しもう。
どうだったかな?あまり普段聞かない勉強法だけど、これはそのうち日本でもどんどん増えてくるんじゃないかなって思うよ。
考え方が分かると安心だよね。
意味のある勉強の仕方をしているし、遊んでるだけのように思えても、ちゃんと勉強になっているよ。
だから、安心して楽しんでいいし、 安心して遊んでいいんだ。
さっそく出てくるよ。
次のページからどんどん出てくるよ。
『①やった方がいいことは続け、やらない方がいいことはやめる。』
については、
「第3章 お互いが気持ちよく学べるための約束。」 の
「うわさ話、かげくちを言わない。」だったり、
良くないきき方をやめることだったり。
『②パラドキシカルラーニング(逆の学び方)』
については、
「第3章 お互いが気持ちよく学べるための約束。」 の
「失敗してもOK!」がそう。
よく「失敗してはいけない」って聞くかもしれないけど、
その逆をどんどんやっていきたいんだ。
「第4章 『話すこと』について考えてみよう。」
から後もたくさん出てくるよ。
普通は「話せたらどんないいことがあるのかを考えて、だから話せるようになろう!」って考えるんだけど、 「話せたらどんな残念なことがあるのか」を考えてみたりするよ。
それでは、次へ。
次は…
「第3章 お互いが気持ちよく学べるための約束。」