本を読まない子どもが増えています。
だからといって、ムリヤリ読ませてもダメです。
本を読むことの楽しさを体験して、本を好きになるのです。
そして、読み聞かせから、自分で本を選んで読むようになっていくのです。
昨年度の様子。
本大好き作戦の様子をご覧ください。
まねきねこが「本大好き作戦!」をする理由。
私たちまねきねこは、子どもたちにインプロ(即興演劇)のワークショップをしています。
続けるうちに、私たちの中に少しずつ疑問が湧いてきました。
「同じ年齢なのに、何故こんなに理解力や表現力に差があるのだろう?」
そして子どもたちの話を聴く中で、少しずつ分かってきたことがあります。それは、
「自分のことを表現できる子に、よく本を読んでいる子が多い」ということでした。
そこで、私たちが大切にしている
「インプロ」「心理学」と「絵本」を融合させた「本大好き作戦!!」を実行し、
自分の意志で本の扉を開く楽しさを子どもたちに知ってもらいたいと思い、この講座を始めることにしました。
理事長 仲野 雄一
本を好きになる入口はいろいろあると思います。
私たちは、まずこの講座がその入口のひとつになれたなら、
とてもうれしいです。
いろいろな扉がある中で、楽しそうな、興味深い、魅力的な扉として「本大好き作戦!!」を
子どもたちに提供する上で大切にしている考え方があります。
同じ本でも、読み手によって感じ方、見え方が違う。
そして、受け手によっても感じ方、見え方が違う。
その違いを楽しんでほしい。
そこで生まれた自分の感情や考え方を大切にしてほしい。
その感情や考えを、仲間や家族とシェアする楽しさを知ってほしい。
自分の気持ちや考えを表現することは怖いかもしれない。
危険だと感じるかもしれない。
まねきねこは、インプロやカウンセリング心理学で大切にしていることを使い、
安全な場を作り、自由に自分から発信できる子どもたちを巣立たせたいと願っています。
読み聞かせをしている方に聞いて驚いたことがあります。
「感情を込めて読んではいけない」
確かに、子どもにすべてを委ねて読むことも必要かもしれません。
しかし、私たちは「俳優」であることを使って、
エンターテインメントとして、子どもたちに絵本の世界を届けたいと思っています。
本の内容を読み取り、作者のメッセージを受け取る。
情景を思い浮かべ、登場人物の考えや気持ちを理解して演じる。
自分の感情を殺すのでもなく、自分の感情に酔いしれるのでもなく、
子どもたち一人ひとりを大切な観客であると捉え、絵本の世界を伝えていきたいと考えます。
「本を読んでも感想を教えてもらえない」
という話を、保護者の方や読みき聞かせに
携わる方から伺うことがあります。
「感想を言ったら間違っていると言われるのではないか」
「正しい答え、いい意見を言わなければいけない」
そんなことを思っているのかもしれません。
しかし、それでは自分の気持ちや考えを言えなくなるし、
本のことも嫌いになってしまうかもしれません。
私たちはカウンセラーとしての立場から子どもたちが発言しやすい場を作り、
本来子どもたちが持っている子どもたちの表現力、想像力を信じ、
表現を抑えているモノを取り除く関わりをしています。
まねきねこは「楽しみながら学ぶ」ことを大切にしています。
絵本を読む前に簡単なインプロ(即興演劇)のゲームをすることで、
子どもたちが自由になったり、仲良くなったりします。
まずは自分自身が楽しむ、そして一緒にいる仲間を楽しませる。
まずは自分の心と体をつなぎ、そして一緒にいる仲間とつながる。
自分で絵本を理解し感じる、そして一緒にいる仲間にそれを伝える。
一緒にいる仲間が感じたことを、興味を持って受け取る。
本が好きになる
↓
自分で本を読むようになる
↓
自分の考えや気持ちを発言し、行動できる自分を目指します。
「本大好き作戦!」始まりました!
たくさんの子どもたちと保護者の方々にお集まりいただきました。
愛知県安城市で「まねきねこの本大好き作戦!!」を初開催しました。
定員を超えるたくさんの皆さまに興味を持っていただき、とても嬉しいスタートです。
講座を始めるにあたり、保護者の皆さまにまねきねこが大切にしている考え方や気持ちをお話します。
その上で、この講座を受けることを決めていただきたいと思っています。
保護者の方々とコミュニケーションを取ることも、子どもたちの成長に大きく関わってくると考えます。
絵本の世界を楽しむために!
聴くだけではなく、参加できる絵本です。
ストーりーによって、二種類のアクションがあります。
こんな風に作戦実行していくよ!
絵本についての感想や意見があったら、どんどん発表します。
もし問題が起こったり、意見が違ったとしても、みんなで話し合って解決します。
どうしたらみんなが楽しめるのか、子どもたち自身で考えます。
大人である私たちは、代わりに解決するのではなくお手伝いをします。
絵本の世界をお芝居にしよう!
絵本の世界をお芝居にしていきます。
しかし、いきなり本の世界をお芝居にするのは難しい。
そこで、「体」と「心」の準備を別々にアプローチすることで、
自然とお芝居の中に飛び込んでいけるようになります。「体」へのアプローチはインプロ(即興演劇)を使い、
「心」へのアプローチは心理学の観点を使いました。
使ったインプロのゲームは「ナイフとフォーク」
二人組で相談せずに2つのものを体で表現するというゲームです。
今回は、絵本で聴いた言葉を体で表現してみたよ。
↑花瓶にお花が生けてある様子
まねきねこは「来談者中心療法」という心理学をベースに活動をしています。
「人は自分で成長できる力を持っている」
私たちは、それを妨げるモノを取り除くお手伝いをします。
子どもたちが自分自身で自分の答えを導き出して、
それを表現できるように、
私たちは心理学を使って関わっています。
読み聞かせを元に、役を振り分けてお芝居をしました。
平面だった絵本が立体になったよ!!
初めはおっかなびっくりだった子どもたちも、
お話が進むにつれて、どんどん笑顔になって、
イキイキと演じ始めました。
役になりきることで、その登場人物の気持ちが
より深く理解できた子も多かったです。
受信から発信へ
まねきねこのメンバーは全員俳優です。子どもたちの目の前で、
いろいろな役となって表現豊かに本を読むことで
絵本の世界を広げ、その世界を届けます。
読み聞かせを聴いている子ども達に
「自分たちでも読んでみたい?」と尋ねると、
「読みたい!」との声。
絵本「あらしのよるに」では、
ヤギ・オオカミ・ナレーションの三役の中から
自分たちで役を選びました。同じ役を選んだ子ども達は、
自分たちで役を渡しあえていたのがよかったです。
みんな、食い入るように絵本を囲んでいました。
子ども達は、自分がその役割を演じる楽しさを感じたようでした。
まねきねこが、まず読み聞かせをします。
今回は「ピンクのれいぞうこ」という絵本を読みました。
このお話は主人公が旅立つ場面でお話しが終わりました。
さて、その後、主人公はどうなったのでしょうか?
子どもたちは絵本の続きのお話を想像します。
みんなが想像した絵本のその後の世界。
そのお話を即興(インプロ)で、
絵本の最後のページから自分が思い描いた
自分だけのラストシーンまでを、
みんなに読み聞かせをしました。
最初は「難しい」と言っていた子も、
みんなが楽しそうに読み聞かせをしてるのを見て聴いて、
「やってみたい!」と読み聞かせをしました。
個性的なお話がいっぱい!
みんな大喜びでした。
「本大好き作戦!」作戦の結果は・・・?
講座が始まったころは、
本自体に興味を持てず騒いでしまったり、
受け身で聴くことはできるが感想は言えなかったり、
とても本が好きだけど、
その楽しみを他の人とシェアしたことが無かったり。
しかし講座が終わる頃には、
どんどん手を上げて自分の感じたことや考えたことを
発表できるようになりました。
休み時間になると、
自然と子どもたちから本の周りに集まってきて、
さっき言えなかった感想を教えてくれたり、
絵本に対する疑問を話したり。
子どもたちの言葉が止まらなくなりました。
講師紹介
仲野 雄一
帝京大学在学中より、俳優、演出家として活動。
2001年よりインプロ(即興演劇)の俳優として精力的に公演するのと同時に、
インプロを活用した教育・研修講師としても活動を開始。
2007年に東京から愛知県に拠点を移し、地域に根差した公演、講座を行う。
某大手芸能プロダクションの講師、アートセラピーのカウンセラーとしての顔も持つ。
中和 沙世子
保育園、幼稚園、小学校、教育委員会ほか、劇場および海外など
全国の子どもを対象に公演活動をしている児童演劇専門劇団にて、
年間約300公演を行った経験を持つ。
2007年より、まねきねこにて活動中。
1級心理カウンセラー 中学英語教諭2種免許
アートセラピスト 交流分析療法士
コミュニケーションファシリテーター
インナーチャイルドファシリテーター
内閣府設立認証「日本カウンセリング普及協会」正会員
主催者について
仲野雄一が主宰する劇団「即興パフォーマンスまねきねこ☆」を
母体として結成された団体です。
インプロ(即興演劇)とカウンセリング心理学を2つの軸に、
みんなが自分らしくイキイキと生きていけるような活動をしています。若者とアーティストが中心となり、
新しいアイディアとユーモアと優しさを大切にした活動をしています。2008年から毎年安城市で小中高生を対象としたインプロワークショップを、
名古屋ではカウンセリング心理学を活用した講座を開催しています。また、台本を全く使わずにストーリーを作るインプロ(即興演劇)の公演も上演しています。
何が起こるのか誰にも予想のつかないステージを愛知県の各地で上演しています。