2018年8月5日、第3回目の講座を開催しました。

①名前コール

この仲間達の中に、自分がいる。そう感じるために続けています。

②りんごかもしれない


「りんごかもしれない」ヨシタケ シンスケ

これ何?というインプロのゲームをまずしました。朝イチでまず動いて声を出してコミュニケーションをしっかりとっていきます。これがちょっとした私の仕込みです。一人が「これ何?」と指さし、もう一人がすぐにその物の名前を答える。「検閲」をしていなければ、すぐに言葉は出たはずです。

そして、そのあと「りんごかもしれない」を読みました。「かもしれない」これが魔法の言葉。本を読むのも、お芝居をするのも、「かもしれない」は大切です。他者と共存していくためにも必要だと私は思っています。「かもしれない」と思えば、自分だけの間違った思い込みや自分のモノサシ以外の観点が持てるからです。そのためにも、この本を使いました。「りんごに決まっている」と思ったら、そこで世界は終了。「かもしれない」の面白さを皆さんで感じてもらえたらいいな。

そして、この本のあと本を読む前にやった「これ何?」というゲームをもう一度しました。しかし今回は、「水の中」「ジャングルの中」という場面と「隊長と隊員」という設定をプレゼントしました。「もしここが○○だったら」「もし自分が○○だったら」お芝居をするための練習でもあるし、対人感受性を育てるため小さいステップでもあります。

そしてもう一つの今回のワークショップの大切なテーマ「相手が生み出した表現を大切に受け入れ楽しむ」ということもしています。隊長(答える方)がどんな答えを出しても、隊員が「いいね!」「素晴らしい!」と伝え受け取ることで、表現しやすくなったと思います。

③アベコベさん


「アベコベさん」フランセスカ サイモン・ ケレン ラドロー

この本はとても私が好きな本です。「いろんな人がいるんだよ」ということを感じ取れる本です。
しかし、残念ながら「アベコベさんはおかしな人達だ」と叩くような雰囲気になることが多々あります。日常生活の中で、みんながどれだけ人と同じように生きることを頑張っているのかを垣間見る瞬間でもあります。
でも「自分と人は違っていていい」「自分と相手が違うということを面白がれる」そんな人達がいる世界は温かく幸せで楽しいと思うのです。みんながそう信じられるように、このまねきねこの場を作っていきたいと努力しています。これは参加者みんなで作りたい。そうしたら、みんなが安心して自分の考えや気持ちを言える場になるから。人が望む答えではなく、自分の本当の答えをだしていくことが、大切なことだと信じているからです。

④きみはほんとうにステキだね


「きみはほんとうにステキだね」宮西 達也

私が思う世界を、役者が台本を読むのと同じ形で解釈し、みなさんへお届けしました。
そのあと「絵本の続きを作る」というゲームをしました。
このことでみなさんに伝えたかったことは大きく3つです。

1.自分の望む世界を自分の中から見つけ出し、それを作品にする素晴らしさ。
2.それを他の誰かへ向けて発信、表現することの勇気と喜び。
3.他の人の生み出した作品を大切に扱い、それをみんなの前で表現している人を心から応援し、その応援している気持ちを相手に伝える聴き方をする大切さ。

本大好き作戦in名古屋 前半3回の総括

この三回のワークで、

・自分の好き、嫌い、に気づき、それを表現すること。
・他者の好き、嫌いも大切にできること。
・相手との違いを楽しめること。

を伝えてきたつもりです。

親子で参加してもらっている理由は、家で親子で楽しんでほしい、という気持ちもあります。
でも、それ以上に、保護者の皆様にも上記のことを大切にしてもらいたい、と思っています。
お子さんが主役のワークで、保護者は付き添いである。
となってしまうと、その結果、お子さんにとって危険な場となる可能性が高くなります。
どうか、保護者の皆様にもお子さんと同じようにリスクをとり、チャレンジをし、失敗をし、積極的に楽しむ、ということしていただけませんでしょうか。
そんな大人の姿を見るのが、子どもにとって大きな喜びと勇気になります。
いたらない点も多い私ですが、皆様からいただいた声は大切に受け取ります。
子ども達と一緒に、私も成長していきます。ワークも成長していきます。
ご賛同いただけると嬉しいです。

後半のワークもよろしくお願いいたします。

特定非営利活動法人まねきねこ 中和 沙世子