こんにちは。

ゆういちです。

ゆういち9歳。

小学校4年生。

引越しをすることになる。
同じ市内で何度か引越しをしていたのだけど、
今回は学区が変わるので、転校することになった。

別に友達もいなかったし、
いじめられていたので、
転校することもどうでもよかった。

引越し先は車で行けば近いところだったので
少しずつ荷物を運んで暮らしていた。

その頃はガンダムのプラモデルを作るのが好きで、
かなりの数のキャラクターを作って集めていた。
作り始めると夜中まで作り続けた。

その頃、母親は、僕が夜中にプラモデルを作っていると
早く寝るように怒った。
理由は、夜更かしがどうこうではなく、
夜電気がついていると、家に人がいる事が分かるので
困るのだそうだ。
なので、雨戸を閉めて、プラモデルを作り続けた。

ある日、母親と一緒にスーパーに買い物に行って
新しい家に帰ってきたら、
知らないおっさんが家の前にいた。

おっさんと母親が口論する声が聞こえ、
母親はスーパーで買ってきたものを冷蔵庫にも入れずに
玄関に置き、
そのまま僕を連れて、香川県の西の方にある
おばあちゃんの家に向かった。

そして僕は新しい家で暮らすことはなく、
そのままおばあちゃんの家に暮らすことになる。

かなり後から気が付くのだけど、
これを世間では「夜逃げ」という。

後から、母親の兄が荷物を取りに行ってくれたのだが
最小限の荷物だけしか持って来れず、
当時作りかけだった、プラモデルのアッガイは
荷物の中にはなかった。

それが残念で。
それ以外はどうでもよかった。