ゆういち3歳。
保育所に行き始めます。

どっさりとあった本は、自分でも読んでいましたが、
寝る前には母親に読んでもらうのが大好きだったそうです。
読み終わっても「もう一冊」って言ってなかなか寝ない。

好きだった本は、

「空飛ぶホッケースティック」

少年は物干し竿に扇風機を逆向きにくっつけて、
扇風機の風の力で飛ぶ飛行機を発明する。
その飛行機で外国まで飛んでいくお話。
電気で飛ぶのでコードをどんどん延長して、
コードが届くところまで飛ぶという。

「アビニョンのりゅう」

南フランスのプロヴァンスに出る龍のお話。
母親はこの本を読み聞かせすぎて
「南フランスのプロヴァンス」という地名だけを覚えた。
行ったことないのに。

日が照って~風が吹きゃ~ 洗濯物が~よく乾く~♪

プロヴァンスにある川で奥さんたちがこの歌を歌いながら
洗濯をしている。
そこへ龍が現れる。
そのときに奥さんたちが口ずさむ歌。
母親が勝手に節をつけて歌っていたのを覚えている。

いまだに、天気のいい日には、この歌が頭の中で巡る。

「ひとりぼっちのこねこ」

寂しい話だったような気がする。
たぶんパッピーエンドではない。
ネコが好きだったわけじゃなくて、
孤独な感じが好きだったんじゃないだろうか。

こうやって好きだったものを並べてみると
何かが見えてきます。

一つ目の話は、
「魔法」とか「ファンタジー」ではなく、
電気で動くものが好きなのは僕らしいところ。
あと、コードが届くところまでしか行けない、
という制限があるのが好きかも。
魔法で何でも叶うというのは好みではないようです。

あと、切ないのが好きなのかもしれません。
アビニョンの龍は、はじめ町の人に恐れられていたが
ぶどう祭りをきっかけに町の人と仲良くなるんだけど、
最後は確か一人で去っていくお話。

ひとりぼっちのこねこも確か、
最後は一人ぼっちで終わったような気がします。

孤独を好む3歳児。