仲野雄一の小さい頃の話「夜逃げ」
ゆういち じゃあ、メンバーの自己紹介。僕が話しますね。僕がちっちゃい頃の話。
さよ ゆういちさんの話。
ゆういち 小学三年生ぐらいの時、僕は香川県の高松市に住んでまして、引っ越しするってことになりまして、今度は高松市のちょっと北の方に行くから学校も変わるんじゃないかみたいな感じで。新しい家があってね。そこに荷物を送ったりしてたわけですよ。前の家と引っ越し先の家と行き来してたんだけどね。ある日、スーパーでお母さんと買い物して、新しい家の方に行ったらね。こう…何かおっさんがいるわけですよ。
いずみ おっさん。
ゆういち 家の前におっさんがいて。何かやばい感じの。で、母親はスーパーで買った買物袋を玄関に置いて、すぐ家閉めて、僕を乗せて車でブーンって…。
さよ、いずみ ほう
ゆういち 四国の香川県の端っこに仁尾町っていうのがあるの。そこにお婆ちゃん家があって、そこにその日から住むことになったの。
さよ え?買い物袋は玄関に置いたまま?
ゆういち 置いたままなの。だから、腐ってるよね。多分。
さよ、いずみ …うん。
さよ え?え?誰?そのおじさん。
ゆういち その…分かんない。怖い人なんじゃない?きっと…。
さよ はえ~。
ゆういち 後から分かったんだけど、それは『夜逃げ』って言うやつなんですよね。夜逃げをしたことがあるというね。
さよ え?荷物とかどうしたの?
ゆういち 荷物は母親のお兄ちゃんが取りに来てくれて、まあ、持って帰って来たんだけどね。僕の荷物は勉強道具ばっかり返ってきちゃって、肝心な物は全然返って来ないわけ。
さよ 肝心な物って何?
ゆういち ガンダムとかさあ、作ってたわけだよ。プラモデルを。それが全然返ってこない。
さよ いっぱいあったの?ガンダム。
ゆういち 結構いっぱいあった。丁度アッガイをね。作りかけだった。
いずみ 懐かしい~。
ゆういち アッガイまだ作りかけでさあ。まだ完成してないんだよ。あれがま~ったく返ってこない。教科書返ってきてもしょうがない。
さよ だから未だにアッガイアッガイ言うんだ。何か完結してないんだね。自分の中で。
ゆういち そう。作ったらいいね。多分。
さよ アッガイ作ったらいいよ。
ゆういち 分かりました。今度作ってみたいです。どう?皆さん、夜逃げとかしたことある?
さよ ないよ!
いずみ ないですよ!
さよ ないです!!なかなか夜逃げしないよ。
いずみ うん。
さよ でも夜じゃないんだよね。きっとそれね。
ゆういち まあ、夕方逃げたね。
さよ お父さんは?お父さん、そん時いなかったんだよね。あれ?兄弟いるよね?兄弟とかはどうなったの?
ゆういち 確か一緒に来たよ。
さよ じゃあ、その経験が今の役者人生に役立っていますか?
ゆういち ……いやあ…でも、役立ってるかな。「ま、別に家とかなくても平気じゃないっ?」て思うよ。強くなったよ。
さよ 確かにね。繊細そうに見えるのに、結構強いよね。
ゆういち そうだね。結構色々な所で生きられますよ。一度は夜逃げをしてみてください。
さよ してみよう!!それではね…
ゆういち さあ、次行きましょうか。
さよ どんな気持ちでやったらいいの?これ。
ゆういち え?何が?何が?
さよ はっちゃけた気持ちでやればいい?次。
ゆういち うん。いい。