PAOのちょっと違うところ。
せっかく、PAOは小学校や中学校ではないんだから、学校ではできない体験をしていきたいね。だから、どこがどうちがうのかを、はじめにお伝えしておくよ。
これらの考え方を気にいってくれたら一緒にやっていきたいし、もし気に入らなかったら、残念だけど今回はさよならということだと思う。だって、世界には他にもたくさんの選択肢があるんだから、それが自然なことだと思うんだ。
じゃあ、一つずつお伝えしていくね。
1つ目。楽しみながら学んでいくよ。世の中には修行みたいに苦しみながらする勉強もあるけど、それはPAOではやらない。PAOでは『楽しい』が持つパワーに注目してる。『楽しい』のパワーは集中力や考える力、チャレンジする勇気を大きくするとぼくたちは思っているよ。だからゲーム形式にしたりして楽しい体験を用意しているよ。
ただ、そのためにみんなに協力してほしいことが二つあるよ。
1つ目は、受け身で楽しませてもらうんじゃなく、自分から楽しもうとして欲しいってこと。例えば、遊園地に行っても、つまらないという顔してる子もいるよね。それは遊園地を『楽しむ力』がないんだと思うんだ。やってもらうんじゃなく、自分から楽しもうとしないと、どんなことも楽しくならないと思うんだ。
2つ目は、他の人に『修行』をさせないこと。他の人は自分のペースで楽しんでいるから『無理をさせない』ことをお願いしたい。
2つ目。スポーツみたいに体験から学ぶ。学校は先生の話を聞いたり、ノートに書いたり、おぼえる時間が多いかもしれないけど、PAOではやってみることの方が多いよ。どちらかというと、国語というより、体育に近いかな。
お話をする時、実は体をけっこう使っているんだよ。例えば、声を出すためにのどの筋肉を使うし、言葉を作るには、口や舌の筋肉、笑顔で話すなら、顔の筋肉、ジェスチャーを使って話すなら、指や手の筋肉を使っている。それをただ動かすんではなくて、自分の思ったように動かす。それは、もうスポーツと同じじゃないだろうか?
例えば、百メートル走なら、何度も走って練習するよね。走らないで、ずーっと教科書を読んだりインターネットで勉強しただけで、速く走れるようになるかというと、たぶんならないよね。だからスポーツみたいにやってみて学んでいきたいかな。
3つ目。「正しい」を求めるなら、それはまさに学校に求めたらいいと思う。
そもそも正しいってなんだろう?
それは「多くの人が賛同すること」なのかなって思う。
でも、人ってそれぞれ違うよね。
ということは、思ったことを話したら、みんな違ってしまう。
つまり「多くの人」から外れてしまう。
大きな「正しい」がある場所では、「自分らしく」がとても難しいことがある。
だから、まねきねこでは、「正しい」ではなく「自分らしい」を大切にするよ。
また、本当に、正しいことを話したいんだったら、スマホで毎回検索して話したらいいと思う。でも、それって、君がやる必要あるの?って思う。人間は機械じゃないから忘れたり、間違ったり、勘違いするけど、そこが面白いんじゃないだろうか?
4つ目。お父さんやお母さんに言われて、PAOに来た子もいるかもしれないね。
「本当にやりたいけど苦手なんです。」って子はいいけど、本当にやりたくなくて、イヤでイヤでしかたないとか、お父さん、お母さんの言うことを聞くためにイヤイヤ来ていて、本当はやりたくないと思っているんだったら、参加しないことをおススメするよ。なんでかって言うと、学校みたいにただ、座って先生の話を聞いていればすむというわけじゃなくて、PAOは自分からどんどんやっていく場所だからなんだ。そして、だんだん、みんなが自分からやっていくように変わっていく中で、イヤイヤやっている子はおいていかれてしまってつらい気持ちになると思う。だったら、その時間を本当にやりたいことに使った方がいいと思うんだ。
そんな君は、お父さん、お母さんにも協力してもらって、やりたくないことをやりたくないと言った方がいいと思うよ。
PAOとは、なんだ?
PAOのおやくそく。
PAOでは、表現しやすい場にするために、お互いに守っていきたい「おやくそく」があるよ。では、1つずつ見ていこう。
そもそも、なんで、練習をするのかというと、今の時点でできないからだよね。できるんだったら、練習する必要がない。だから、練習は「できない」が「できる」に変わること。「できない」から「できる」に変わるには、すんなりいくわけではなくて、何度も失敗する。そして、失敗しているうちにだんだんできるようになっていく。自転車に乗れるようになるまでに何度も転ぶように。だから、「失敗」というのは「上手くなるまでの途中経過」なんだよね。なのに、失敗を禁止して一発で上手くいくことを求めたり、失敗をバカにしたり笑ったりしたら、失敗自体が怖くなって、失敗を体験できず、結局できないまんまになってしまう。だから、ここでは、どんどん失敗してOK!
だから、どんどんチャレンジしていこう。ゆういちのインプロの先生のキースジョンストンはこう言ってるよ。「できないことがあったら、それを5000回やりなさい。」もし、苦手なこと、できないことがあったとしても、それは、できないんじゃなくて、まだ回数が足りないだけなんだ。だから何度でもチャレンジしよう!
せっかく勇気を持って前に出て話したのに、後から聞いてた人がこそこそとカゲグチを言ったり、バカにされたりしたら、傷つくよね。実は、「話すのが苦手」という人の多くが「苦手」と感じるものの一つに、聞いている人の反応があるんだ。話す前に、「話しした後に、また笑われるんじゃないか。またバカにされるんじゃないか。」と想像して、怖くなって話せなくなってしまう。それが積み重なって「苦手」と感じるんだ。
ちょっと、考えてみてほしいんだけど、自分が話している時以外って何をしているだろう?
そう、相手の話を聞いている。つまり、自分が話す役の時以外は、相手の話を聞く役なんだよね。その時に、相手が話しにくい聞き方をしていないか考えてみよう。もし、全員が聞くのが上手ければ、全員話しやすくなるはずだよね。お互いが話しやすくなるように、聞き上手になろう。その一歩目が「うわさ話、カゲグチを言わない」だよ。
競争と聞くと、何を思い浮かべる?
本当かな?
競争ってそういう意味しかないのかな?
大人のいいお手本があるから紹介するね。
これが、その時の動画。
相手が外したら、タイガーウッズさんは、悲しそうな顔をしているね。
本当に「入れ!」と思ったんだろうね。
きっと、相手のミスなんかで勝ちたくはなくて、一番いい状態の相手と戦って勝ちたかったんだろうね。
さて、ちょっと、想像してほしい。
タイガーウッズさんの逆で聞いた場合なんだけど、
これ、話しにくいよね。
でも、これってよくやりがちだよね。
これは、自信のなさから来ているんだと思うよ。
相手が失敗をしたら、つまり、相手が下がったら、
自分は同じ高さなのに、自分が上がった錯覚が起きる。
相手が失敗したら、自分ができた気になってしまうんだ。
これは、よくやってしまうことだと思う。
だから、お互いに気を付けていきたいね。
相手をジャマしたり、足を引っ張ったり、意地悪するんじゃなくて、
相手を助けて、協力して、応援して、高めあえるようにしたいね。
その一歩目が「いい聞き手になる」ということなんだ。
聞くのが上手くなると、話すのも上手くなるよ。
なぜなら、聞くという行動は、相手に気を配ること。
相手に気を配りながら話せるようになると、
話が上手いってことになるよ。