新聞の記事をお芝居にしてみよう!

NPO法人まねきねこは、2011年10月30日より新しいワークショップを開始しました。
新聞の記事をお芝居にするとは一体どういうことなのでしょうか?

活動の背景

2011年4月から始まった新学習指導要領により、小学校では新聞を使った学習が行なわれていますが、演劇体験によって更なる学びが得られると考えました。特に、学校の授業の理解はできても、自分の意見を言えない、発表ができない、友達と上手く関われないという子どもたちに対しては、新聞と演劇を合わせた体験の中で表現力、コミュニケーション力が育つと考えました。

活動のねらい

・一人で読みがちな新聞ですが、グループでの体験により、相手の意見を認め、友達と一緒に考え、意見交換できるコミュニケーション力の向上を目指します。
・自分以外の人を演じる体験により、記事の理解を深め、他人の気持ちを理解し、対人感受性を高めます。
・演劇を作り人前で発表する体験により、自分で考える力、相手に伝える表現力、伝えるための構成力、そして行動をする力を身に付けてほしいです。
・世の中の流れに興味を持ち、新聞を読む習慣を付け、将来、社会に出ても自分で考え、自分で判断し、行動できる大人に育ってほしいと思います。

自分の意見を表現しよう!

新聞を演劇で再現することに加えて、記事に対する自分の意見の表現をする練習をします。学校で習ったことや先生が言った事は発表できるが、自分自身の意見が言えず「○○くんと同じです。」と言ってしまう子が多いようです。そこで自分の意見を勇気を持って言う方法として、役になりきります。
ひとつのテーマに対して、複数の意見が出た場合は、討論番組やパネルディスカッションのように、コメンテーターや評論家役となり、記事に対する自分の意見を発表します。人によっては、自分の意見を詩の朗読やエッセイのように表現したり、演劇を見ている観客役にインタビューをして、意見交換をすることもできます。
また、事件が起こったことにより、未来どのようなことが起こるのかを想像して物語を作ったり、事件の背景を想像し、再現ドラマのように演じることもできます。

こんな効能が期待されます

▶興味を持つ

演劇を使って楽しみながら学ぶことにより、新聞を読むことが楽しくなり、新聞への興味が高まります。また、新聞を通じて世の中の流れに興味を持ち、自分で調べて自分で勉強する習慣がつきます。

▶新聞を読む習慣がつく

新聞を読むことが楽しくなると、新聞を読む習慣がつきます。

▶理解力の向上

人に伝えるということは、記事を十分に理解し、自分の言葉でまとめる力が必要です。新聞を黙読するだけなく、記事を音読し、体を動かし、感情を動かすことで、理解が深まります。

▶相手の気持ちを感じることができる

「対岸の火事」という言葉があるように、理解しても、他人事として捉えることも多いかと思います。そこで、他人を演じる体験により、相手の気持ちを想像し、理解します。

▶自分の意見を持つ

学校で習ったことや先生が言った事は発表できるが、自分自身の意見が言えず、「○○くんと同じです。」と言ってしまう子が多いようです。そこで、記事に対する自分なりの意見を発表することで、自分の意見を持つことを促します。自分で考える力、そして行動する力が向上します。

▶表現力・コミュニケーション力の向上

相手に伝える表現力、伝えるための構成力が身につきます。グループで体験することで、自分と他人との考え方、感じ方の違いを理解し、認め、協力することにより、コミュニケーション力の向上が期待されます。

上記の内容を新聞にして配布しました。

レッスンの様子

まず、各自で新聞を読みます。
一人づつで新聞を読むことで、
新聞を読む習慣が少しずつできてきているようです。

新聞を読み終わったら、各自でどの記事をどのように発表するかを計画します。

そして、プレゼンテーションをします。
図にして説明したり、新聞に書かれていないことも想像します。

「だれにどの役をしてほしいか」というキャスティングもします。

一つの記事につき、監督を一人決めて監督の指示に従いお芝居を作ります。
携帯電話を使うことで家族の関係が薄くなるという記事から、このようなシーンが生まれました。

ダンボールに「ショボーン」と書いています。
落ち込んでいる気持ちを表しています。
見えないものを見えるようにする工夫です。

お料理番組風に記事を表現しました。

レッスンの最後には短いお芝居を作ります。

子供たちが興味を持ったのは、忍者の世界。
布や衣装を使って、イメージを広げていきます。

記事を再現するだけではなく、
記事に書かれていないことも想像して作ります。

発表会!!

連続講座の最終日には発表会をします。
はじまりはじまり~♪

発表会では、昔中国から日本へ文字や金属などが伝来したという話をお芝居にして発表しました。

ロビーでは、レッスンで作った台本や資料を掲示しました。
みんな見てくれています。

開催実績

講座名飛び出せ新聞!
日 程2011年10月30日,11月6,13,20日
講 師仲野雄一
会場安城市民交流センター、安城市文化センター、作野公民館
後援愛知県教育委員会・安城市・安城市教育委員会・中日新聞社