(本日より、ですます調をやめる)

この前のブログ記事で、下記のことを書いた。

「盛り下げたらまずい」「変なこと言ってしまわないかな」という根源的な不安が、勢いを落とすアイデアを誘発する。
⇒「休憩しよう」「(流れを無視した)違うことしよう」といった堰き止め系の展開はやめる。

これは、かなり自分にとっては本質的な問題なので、もう少し深堀りしてみたい。

この問題について、たとえるなら、
スキー初心者が自分が制御できるスピードを超えてしまい、尻もちをついて、その滑りを止めようとする感覚に近い。
あるいは電子機器が熱暴走しかけたので、制御装置が作動した状態―――

そのシーンがテンポよくうまくいっていることで、かえってプレッシャーがかかり、「うまくやらなければならない」と気負う。

しかし初心者にとっては「うまくやる」=いくつかの守るべき原則、テクニックを意識し、実践することであり、
早いスピードや高いレベルでそれを要求されると、頭の中が飽和してしまう。
あるいはそのシーンの高まりに見合うティルトのアイディアを出せないのでは、と焦る。

だから流れを切り、仕切り直し、またはスピードを落とし、「頭で考える余裕のある」状態まで下げるのだと思う。

これは日常会話でもやってしまいがちだ。
(オオサカ人的な早いテンポの掛け合いが苦手なので、そういう相手と話すときは疲弊する。)

よく、さよさんから、「ここはこういう展開にもっていくべきだった」という指摘を受けるが、
そうした俯瞰的な見方ができる余裕が完全になくなっている状態なわけで、つまりは発想の問題というより、逃避行動自体に問題があると言える。

では、これを克服するにはどうすればよいか?

一つには、当然ながらインプロの技術を磨くこと。
頭で考えなくても感覚的に「(ある程度)うまくやる」ことができる状態になること。
そうすれば、自信をもって勢いを保った状態でいいアイディアを出せる。

先のスキーの例でいうなら、技術を身に着け、スピードを楽しめるようになること。
高速の世界に自分の感覚をおけるようになること。

これが理想ではある。

ただ、そんな簡単にいかないのがインプロだ。

ここで必要になるのが、個人の力に頼るのではなく、チームとして対応することだ。

(その時点でシーンに出ているかどうかは別として)誰かが一歩引いて全体の流れを見る。
メインで話している人たちがアップアップになっていたら、すかさずシーンに躍り出て、舵取りを担う。
場面転換やティルトが必要なら、余裕がある人が考えたっていいと思う。

全員参加でやりとりを盛り上げる必要はない。
その場その場で必要な役割を担う。

インプロはチーム戦。一人でできないことは、全員でカバーすればいい。

まだチームではやっていないけど、このことを忘れずにシーンを作っていきたい。