この講座の講師の福田寛之さんです。
福田寛之(フクダヒロユキ)
ブリコラージュ研究所主宰・即興実験学校コアメンバー。
座・高円寺や名古屋市芸術創造センターなどで定期的にインプロ(即興演劇)のワークショップを行い舞台にも立つ。
近年は仮面とダンスに傾倒し、マスクの製作からフルマスク/ハーフマスクのワークショップ、パフォーマンスまで幅広く活動を展開。
愛知県出身。
【仮面について】
世界中の民族や文化に仮面は存在し、神聖なものとして扱われてきました。仮面は、宗教的な祭儀や呪術の場で神様や超越的な存在と交信し日常と非日常を繋ぐ媒介者であり、仮面を被ることで人智を超えた力や知識を得てきました。
では、現代に生きる我々が仮面を扱うのはどんな意味を持つのでしょうか。一つには、変化を体験するということがあすます。変化をするということは仮面の本質です。仮面を被ると顔が変わり、声が変わり、動きが変わり、キャラクターが変わります。そしてその変化は、多くの場合、本人の意図を超えた強烈なものである一方、頭で制御しようとすると消えてしまう繊細なものです。俳優にとっては、自分を投げ出し、私とは違う何者かになる体験は演技や役作りをする上でプラスになるかと思いますし、日常生活の中では味わえない変化を味わうのも楽しみ方の一つだと思います。