香嵐渓 ~ 一期一会の「重なり」を形にする ~

愛知県の紅葉の名所、香嵐渓を訪れました。

今回の「旅ねんど」は、この場所で出会った景色、食、そして人々の営みが重なり合って生まれた、
世界に一つだけの物語です。

まずは名物、揚げたての「もみあげまん」を。
「もみあげまん」とはもみじ饅頭を揚げたものです。
三つの味が楽しめる『みつどもえ』を手に取ります。

王道の「こしあん」から始まり、
濃厚な「クリーム」へと続き、
最後は深みのある「抹茶」で締めくくる。

この三層の味わいの変化に、職人の丁寧なこだわりを感じました。

お茶屋さんの赤い毛氈(もうせん)に腰掛け、
窓の外に広がる紅葉を眺めるひととき。

ここでの色彩と心の動きが、創作の種となります。

河原に下りると、不思議な光景に出会いました。

いたるところに積まれた石の塔。
「ここは賽の河原か?」と思わず笑みがこぼれますが、
それは「ロックバランシング」という、今この瞬間の均衡を保つアートでした。

誰かがここで、自然と対話しながら積み上げた時間。
その「重なり」の美しさに、創作のインスピレーションが強く刺激されました。

旅の記憶を手のひらでこね上げ、一つの作品が完成しました。

ベースの鮮やかな赤は、燃えるような紅葉の色であり、お茶屋さんの赤毛せんの記憶です。
紅葉の形をしたカエルたちが重なっているのは、河原で見た石の積層と、
あのもみあげまんの「三位一体」の構造が呼応した結果です。

上から「こしあん」「クリーム」「抹茶」。
カエルたちの色は、私が旅で味わった感動の順番そのままです。

旅を形にすること、人生を形にすること

私にとって「旅ねんど」は、単なるお土産作りではありません。

旅先で出会う生き物のモチーフを借りて、
その土地の文化や人々のこだわりを、
即興的に自分の中に取り込む対話のプロセスです。

「今、この瞬間の驚きを、忘れないうちに形にする。」

私の指先から生まれた小さな物語が、
あなたの日常にも新しい視点と笑顔を届けることを願っています。