私は、生き物たちが放つ圧倒的なエネルギーと、人や土地との出会いから生まれる一期一会の瞬間を、粘土というメディアを通じて表現しています。私の創作の核にあるのは、生き物への深い敬意と、即興演劇(インプロ)で培った「今、この瞬間」を肯定する精神です。
作品を通じて、観る人と共に笑い、驚き、生命の不思議を分かち合うこと。
その双方向のエネルギーこそが、私の表現を動かす源泉となっています。

原点 恐竜の図鑑と想像の翼
1972年、滋賀県生まれ。幼少期、図鑑に描かれた恐竜たちの生命力に魅了され、粘土でそれらを再現することに没頭しました。
単に形を作るだけでなく、その生き物がどんな環境で、どんな息遣いをしていたのか。背景にある「物語」を想像し、指先から命を吹き込む喜びが、私の創作の原点です。

深化 即興演劇が教えてくれた「今」の肯定
20歳で俳優の道へ進み、台本のない「インプロ(即興演劇)」の世界で、予測不可能な事態を楽しみ、観客とのやり取りから物語を紡ぐ術を学びました。「間違いをギフトとして受け入れる」「相手のアイデアに乗る」というインプロの哲学は、現在の私の粘土表現における、計算を超えた造形の美しさや、ライブ感あふれるパフォーマンスの基盤となっています。
共創 子どもたちの瞳に映る自由な世界
2020年より、小中学生向けの粘土講座を主宰。子どもたちが生き物の生態を知り、驚き、自分だけの表現を見つけ出すプロセスを伴走しています。技術的な「上手さ」を超えて、自分の内側にある世界を形にする楽しさを伝えることで、私自身もまた、子どもたちの純粋な感性から新たなインスピレーションを受け取っています。
革新 ライブネンディングと旅ねんど
2021年からは、視聴者のコメントに反応しながら即興で作品を創り上げる「ライブネンディング」を始動。オンラインという場において、他者の思考と自分の手が混ざり合い、予想もしなかった造形が生まれる瞬間に、表現の新たな可能性を見出しました。
2025年からは、活動の場を物理的な移動へと広げる「旅ねんど」をスタート。その土地特有の自然、文化、そして出会った人々の言葉を即座に粘土に封じ込める旅は、私の表現をより動的で、血の通ったものへと進化させています。
ビジョン 粘土とユーモアで、心を動かすきっかけを
私の作品や活動は、生き物の美しさを伝える「窓」であり、誰かの心に変化を起こす「スイッチ」でありたいと考えています。 子どもたちには、自由に世界を創り出す力を。 大人たちには、生き物の物語や即興の楽しさを通じて、日常を少し軽やかに、前向きに捉え直すきっかけを。
インプロの舞台で磨いた「今を生きる力」を粘土に込め、世界にたった一つの「生命の物語」を、これからも皆さんと共に紡ぎ続けます。