ゆういちが描いた落書きです。
空っぽなんです。

僕が20代前半に描いたものです。
その頃は、国際電話の営業をやっていました。
この絵は契約書のコピーの裏に描いてありました。

僕は、気持ちを絵で表す習性がありまして、
若いころは落ち込んだ時によく落書きをしていました。

自分の中には何もない。空っぽだ。
空っぽなくせに、見た目は着飾ってよく見せている。

その頃の僕は、自分がオリジナルではないということを感じていました。
何をやっても偽物。

実際、この絵の、頭が箱で体が人間というアイディアは、
石井竜也さん(米米クラブ)の個展に行ったときに見た、
石井さんが学生の頃に描いた絵のパクリです。

中身が空っぽで、外見をセンス良く着飾っている、
と表現したくても、
センスのいい服は描けず、
画力も低く・・・。

そう感じ、最後に
「服のセンスも悪いんです。」
と、書き足しました。

そんな自己嫌悪にまみれていた自分を今の自分が見て、
ああ、がんばっていたな。
かわいいなぁ。
と思います。

中身がないことは、外見を見たらだいたい分かる。
いくら外見を飾っても、だませないんだよなぁ。
だって、センスって中身だもの。

そして、中身を作っていけば
外見に滲んで溢れるものなのだと思います。

そして、中身がないのではなく、
気づいていないだけなのだとも思います。

昔の自分の絵を、今の自分が見て、そんな風に思います。