「Being negative」の例

ママ  「おばあちゃんにクッキーを届けてくれない?」 赤ずきん「でも、おばあちゃんはいつもガミガミ言うし、においもヒドイの。」 ママ  「おばあちゃんは一人で寂しいし、病気がちだから仕方ないでしょ。」 赤ずきん「あ、雨が降ってきた!」

A「パーティー楽しんでる?」 B「そうでもない。」

「Being negative」

「Being negative」とは、アイディアを受け入れてはいますが、そのアイディアが実行されにくいネガティブな状態で受け入れることを言います。アイディアを受け入れることでその未来へ行くことに恐怖を感じ、防衛しているのです。 A「パーティー楽しんでる?」 B「そうでもない。」 パーティーに参加していること自体は受け入れていますが、パーティーを楽しんだ未来を受け取れないので、楽しんでいないというネガティブな受け入れ方をしています。 これが「Blocking」だと、こうなります。 A「パーティー楽しんでる?」 B「いや、僕はパーティーの参加者じゃないんだけど。」

特に制限がないのであれば、ポジティブにスタートした方がいいでしょう。

ポジティブなシーンから始めると、シーンは前へ進みます。 その後、ネガティブなオファーが出され、シーンが変化します。 最初にポジティブであればあるほど、その後のネガティブな変化が劇的になります。 後の変化による効果を最大限にすることができます。 しかし、初めからネガティブに始めると、その後でネガティブな変化が起こっても、 最初からネガティブなので変化が引き立ちません。 後の変化による効果は最小限になってしまいます。 そして、お客さんもハッピーな主人公が問題に巻き込まれていく様を見たいのです。

映画からもそれが分かります。 エディー・マーフィーは手錠をかけられパトカーに投げ込まれました。 彼は車内を見渡し、こう言いました。 「これは私が今まで乗った中で最高にきれいなパトカーだ!」 観客はこれを見て大喜びします。 ポジティブなやりとりは、私たちを喜ばせることができるのです。

しかし、一見ポジティブに見えるからと言って、ネガティブではないというわけではない場合もあります。

「ポジティブ」と「ネガティブ」

「ポジティブ」と「ネガティブ」を見分けるのは、「Blocking」と同じく、難しい時があります。 「ポジティブ」という単語一つ取っても様々な意味がありますが、 「ポジティブ=シーンを前に進めるもの」と考えることができます。 例えば、医者が患者を診察し、悪い症状を見つけた場合、 キャラクターはネガティブになる可能性がありますが、 シーンにとってはポジティブな意味となります。 「ポジティブ」が良くて、「ネガティブ」が悪い、というわけではなく、 「ポジティブ」と「ネガティブ」の両方を使ってシーンを作っていきます。 「ポジティブ」だけではストーリーは面白くありません。 ストーリーを興味深くし、劇的な変化を起こすには、 主人公に「困難」という「ネガティブ」を与えることが必要です。

「ポジティブ」「ネガティブ」は4つの対象で考えることができます。 ①俳優自身の状態 ②キャラクターの状態 ③シーンの状態 ④ストーリーの内容 「Being negative」では、特に俳優自身の状態が問題になります。 ネガティブな俳優の状態から、様々なネガティブなものが発生します。 俳優自身の状態がネガティブなので、 ネガティブなキャラクターになってしまいます。 例えば、仕事のできない会社員。(様々な選択がある中で、わざわざできない状態のキャラクターを選んでいます。) 俳優自身の状態がネガティブだと、 シーンの状態がネガティブになってしまいます。 例えば、共演者との関わりにおいて、ネガティブな関わりをします。 俳優自身の状態がネガティブだと、 ストーリーの内容がネガティブになってしまいます。 これは上記で述べていることです。

キャラクターの状態がネガティブである場合もあります。しかし、俳優自身の状態もネガティブであるともう見続けることができないでしょう。 ネガティブなシーンからストーリーを始めることは可能です。ただし、俳優自身の状態がポジティブである必要があります。俳優の力が試されるところです。

「Being negative」を解消するエクササイズ

「Being negative」を解消する方法をご紹介します。

サイドコーチ

俳優がネガティブになった時に、指導者がシーンを止めずに声をかけます。

A「パーティー楽しんでる?」
B「あまり楽しくないよ。」

(Bのネガティビティーが発生した!)

指導者「ポジティブに!」

(Bはセリフをポジティブに言い直す。)

B「ああ、最高に楽しんでいるよ!」

A「君は、サイモンの友達?」
B「まあ、そんなに仲良くはないけどね。」

(またBのネガティビティーが発生した!)

指導者「ポジティブに!」

B「同じクラスで仲良くしているよ。」

(Bはセリフをポジティブに言い直した。)

このように、ネガティブになったその時にサイドコーチされることで直していきます。

ベルが鳴ったら最後のセリフを逆転

フロリダのオーランドにあるインプロのグループでは、ベルを鳴らすと話した最後のセリフを逆転させるゲームがあります。

A「車で行こう。」

(ベルが鳴る)

B「やっぱり、歩いていかないか?」

セリフを逆転することで、ネガティブな行動を逆転させることができます。

参考文献:Impro for Storytellers(Keith Johnstone著)