何のためのテクニック?

インプロでは、お互いのアイディアを重ね合って即興でストーリーを作っていきます。

それが基本なのですが、なかなか「ストーリーを作る」ということが難しいのです。
どうしても「ストーリーを壊す」ことをしてしまいます。
特にインプロの初心者は壊すことがとても多いです。
これはもうしかたないことで、日常の習慣も大きく影響します。
ストーリーを壊したほうがいいと信じている人もたまにいますし、
なんと「ストーリーを壊せ」と教えたり、教えられる人もいるらしいです。

ストーリーを壊す人たちが、ストーリーを作る代わりにとても欲しているものは「ジョーク」です。
または、言葉でシーンを繋ぐためにとにかくしゃべったりします。

しかし、キースジョンストンのインプロを学べば、それをしなくても良くなります。
ストーリー作りができるようになるから、壊さなくて済みます。

キースジョンストンの教え方の特徴の一つに「逆の教え方(paradoxical teaching)」があります。
「やらないほうがいいことをあえてやってみる」という考え方です。
ストーリーは壊さない方がいいのですが、あえて壊す方法を理解し、実行することで、
ストーリーを壊さないようにしていくのです。

それが「ストーリを殺す17のテクニック」です。

ストーリを殺す17のテクニック

キースジョンストンは、ストーリーを壊してしまう方法を分類しました。
それが「ストーリーを殺す17のテクニック」です。
「殺す」とか、やらない方がいいのに「テクニック」とか、ちょっと変わった表現ですね。
キースは著書「Impro for storytellers」の中で、「kill stories」「techniques」と
皮肉とユーモアを交えて述べています。

ストーリーを殺す方法は17あります。

01. Blocking
02. Being negative
03. Wimping
04. Cancelling
05. Joining
06. Gossiping
07. Agreed activities
08. Bridging
09. Hedging
10. Sidetracking(confusing)
11. Being original
12. Looping
13. Gagging
14. Comic exaggeration
15. Conflict
16. Instant trouble
17. Lowering the stakes

これらのテクニックは誰もがついやってしまうことです。
これをクソ真面目に、暗く、改善してはいけません。
これらのテクニックを楽しく学ぶことで、上手くなっていくのです。
そして、私たちがどのようにして自己防衛をしているのかも学ぶことができます。

それでは、一つづつ学んでいきましょう。

参考文献:Impro for Storytellers(Keith Johnstone著)