「Gagging」の例

「王様、バンザイ!」
「ところで、王様、なぜ背中に布団のシーツをまとっているのですか?」

「Gagging」とは?

「Gagging」とはギャグを言うことです。ストーリーを壊すような笑いをギャグといいます。特に上記のような、設定を利用したギャグは要注意です。観客がせっかくお芝居の世界に入りこんでいたのに、ギャグにより現実に引き戻されてしまいます。「ああ、自分は今、お芝居を見ているんだなぁ。」と感じ、ステージを客観視してみることになります。

俳優が「Gagging」を行う心理は、不安感からです。慣れていない俳優は客席からの音声で判断をし、「今、客席が静かだ。観客が退屈しているのではないか?」と考え、ギャグを行なうのです。しかし、客席が静かだからと言って、観客が退屈しているとは限りません。静かに集中して観ていることも多いのです。その場合、せっかく興味深くシーンを見ているのに、関係のないギャグが入ってくるとガッカリするのです。シーンが壊されたことに対して一瞬笑います。ただ、ギャグが面白いというわけではありません。ギャグが起きて、シーンが壊されるたびに、観客とステージとの心の距離はどんどん離れていきます。

「Gagging」を解消するためのエクササイズ

ギャグポリス

ステージの脇にギャグポリスがスタンバイしています。シーン中、ギャグを言ったりやった俳優がいたら、ギャグポリスがその人をステージ外へ連行します。

参考文献:Impro for Storytellers